中国の人民元が、「実態を反映していない」として、各国から非難が集中している。
ポールソン米財務長官は、改革の遅れは国際社会からの一層の反発を招くと述べ、人民元の変動相場制への移行を促したという。中国の貿易黒字は、1~10月の累計で、前年同期比59%増となっており、10月の貿易黒字は過去最大の270億5000万ドルにも上る。米議会では、超党派の米中経済・安全保障再検討委員会は15日、為替操作には制裁を可能すべきと勧告しているという。
カナダの財務省高官は、13日、今週末に開かれる20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)で人民元の上昇加速を求めると述べている。
ユーログループの議長を務めるルクセンブルクのユンケル首相兼財務相は、ラジオ局とのインタビューで「中国人民元が20―25%過小評価されている」との認識を示している。
サルコジ仏大統領は、今週末の訪中で、人民元がドル・ユーロ・円に対し、公平になるよう求めるという意向という。
中国国内ではインフレが加速しており、国営紙新華社では、通貨レートの改善で「国際市場を利用し、国内で不足する物資を補充し供給する」必要があると述べている。
→ 人民元改革
→ 中国の人民元制度 国際ルールと調和せず ポールソン米財務長官 (2007-11-9)
→ 10月の貿易黒字、過去最大=輸出堅調で270億5000万ドル-中国 (2007-11-12)
→ 中国、海外投資の規制を緩和すべき=国家外為管理局局長 (2007-11-12)
→ 「人民元は実態反映せず」 欧州当局者訪中へ (2007-11-13)
→ 中国物価高 人民元切り上げがカギ (2007-11-14)
→ カナダ、G20で中国に人民元の上昇加速を求める=財務省高官 (2007-11-14)
→ 米議会、人民元操作に制裁も (2007-11-16)
→ 中国人民元、20―25%過小評価されている=ユーログループ議長 (2007-11-16)
→ 仏大統領、訪中では主要通貨の「公平な」関係要請へ=仏政府高官 (2007-11-22)