日曜日, 5月 08, 2005

日本のマスコミにおいては、ステレオタイプの多用、政治的駆け引きの皆無、客観性のない評価が、寡占市場において跋扈している。記者クラブの閉鎖性のせいである。そして、記者クラブの人間は、ITに疎い。

歴史学、人類学をネタにして、宗教倫理を唱えるのは、その学問の発展を損なう。ある地域・時代の人間の生活の「ほとんど」が「正しく」家制度を保持した、と主張することは、その地域・時代の、権力そして社会構造の理解を妨げる。古代エジプト人にも実は個人的生活があった、とすることは、個人の概念の発達のない時代を正確に記述しているとは言いがたい。特に、その時代・地域の特定の人間に感情移入することの弊害は大きい。アメンホテップの生涯は、わずかに知ることのできる情報から、知ることのできる範囲内でその統治を記述すべきであり、まちがえてもディズニー風の権力者を仮定すべきではない。