木曜日, 12月 08, 2011

減税とは禁句なのか

あくまで米国の話です。

米国には貧困層と高年齢層にしか公的な健康保険制度がありません。
そのための課税がフラットタックス(年収が何千億円でも庶民とまったく同じ率)で、しかも富裕層への課税に上限が設けられています。

富裕層への課税が累進課税どころか逆進という現状で、この財政危機打開のために課税率を元通りにしようという試みが続けられていますが、いまだに多大なる抵抗がその声を押し殺しています。
もとは70%だった課税率が80年代からどんどん下げられてきて、35%からさらに下げようとさえする動きがあります。

「ウォール街を占拠しよう」という抗議運動があります。「99%」というスローガンで、1%に買われた政治を庶民のため「民主的」にしようという動きの一環といえるでしょう。

何千億とあると、市場のみならず政治まで動く。買ってしまうと法律が作れる。金持ちには税金を下げる法律をつくる。

米議会で話題となっているのは今年で切れる庶民に対する減税措置(Payroll Tax Cut)の延長案です。財源は年収1億円以上のほうからという法案に対する論議があります。3.25%上げようという提案を論議している。

中間層にとっては平均で$1500ほど収入に差がでるという話なわけで、有権者からは支持があります。それをネタに「交渉」が続けられています。

禁句となっているこの「格差」問題。庶民の声が金持ちに牛耳られた米国のマスコミの壁を超えて、ネットで政治を変えていく以外に改革を期待することは困難であるといえるでしょう。