韓国の済州島では30日、日中韓の首脳会談が行われ、韓国の哨戒艦「天安」沈没が北朝鮮の魚雷爆破攻撃によるものという調査結果を受け、北朝鮮制裁に向けた連携を協議するという。
韓国は、今週中にも安保理に提訴するとしている。
協議では中国からどこまで積極関与表明を引き出せるかが焦点となるという。
ニューヨークで開催されたNPT(核拡散防止条約)再検討会議では、北朝鮮の再度に渡る核実験を非難する最終文章が全会一致で採択されている。
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≪これまでのいきさつ≫
韓国の哨戒艦「天安」の爆沈
3月26日、韓国の哨戒艦「天安」が北方限界線(NLL)より南方、白リョン島南西沖で爆沈し、乗務員46人が死亡した。哨戒艦には104人が乗船しており、被害の大きさは哨戒艦が瞬時に沈没したことを示すものという。
韓国の対応
韓国政府は原因を究明するとして冷静な対応を呼びかけた。救助が精力的に行われ、作業中に1人が死亡。
調査団の発表
5月20日、韓国および英、米、豪、スウェーデンよりなる軍民の調査団が、回収した魚雷の種類と書かれた文字などや火薬の成分、潜水艇の動きなどから北朝鮮による魚雷爆破攻撃と発表。魚雷は船体の真下で爆発し、哨戒艦の竜骨が折れて沈没したという。
韓国および国際社会の反応
調査団の発表を受け、韓国の李明博大統領は24日、国民的談話を発表し、北朝鮮に対し、国連安保理で制裁決議案の採択を要請すると同時に、韓国政府の対応として交易・交流を停止し、船舶の運航を禁止、さらなる軍事挑発には自衛権を発動すると発表した。
政府は貨物検査特別措置法や特定船舶入港禁止法を成立させ、送金の届出額を下げるなど独自制裁を施行した。
米国下院では対北朝鮮非難決議案が採択され、上下院では北朝鮮のテロ支援国の再指定や、金融制裁について議論されているという。
政府、米政府、EU、NATO軍、豪政府、仏政府、インド政府などが、北朝鮮に対する非難声明を発表した。カナダ政府は実質的に国交を断絶した。
中国の北朝鮮への援助と中国の対応
中国の温家宝首相は28、29日、韓国の李明博大統領と会談し、「調査結果を重視」し、「爆破の責任者が北朝鮮であれば擁護しない」と述べたという。
日中韓の首脳会談
韓国の済州島では29、30日、日中韓の首脳会談が開催され、北朝鮮への制裁や国連安保理での制裁決議案の採択について連携を深めるため、協議を行う。