韓国の李明博大統領は24日、哨戒艦「天安」沈没は北朝鮮の魚雷によるものという調査結果を受けて、安保理提起や船舶の通行禁止や交易・交流の禁止など北朝鮮に対する制裁を打ち出した。
鳩山由紀夫首相は24日、政府として「北朝鮮の行為は断じて許せない」と強調し、安保理で非常任理事国として積極的に韓国を支持していくと述べたという。政府は、北朝鮮への追加制裁として、北朝鮮への送金や現金持ち出しの監視強化、北朝鮮に渡航する在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)幹部らの再入国規制強化などの検討を始めたという。具体的には、報告なしで北朝鮮に送金できる上限額(1000万円)、届け出なく持ち出せる現金の上限額(30万円)を引き下げを検討するという。
潘基文国連事務総長は24日、記者会見で「調査報告にある証拠は動かしがたく、大きな問題だ。国際社会へ広がっている非難に完全に同意する」と述べ、韓国が「天安」艦爆破沈没事件を安保理に提起した場合には安保理が強い措置を取るべきとの考えを示したという。
米政府は24日、声明で「安保理での合意のため韓国のみならず日本、中国、ほかの安保理メンバー国と緊密に連携を取っている」と発表した。金融制裁やテロ支援国家の再指定などの検討が本格化されるという。
欧州などのメディアは、北朝鮮制裁に「慎重」な中国に対し、「今回こそは圧力をかけろ」と要請する論調を展開しているという。
インド外務省は21日、「天安艦事件を糾弾し、韓国政府に哀悼を表す」との声明を発表したという。
→ 韓国大統領談話 安保理は北朝鮮の責任を問え(5月25日付・読売社説)
→ 鳩山首相、対北制裁の検討指示=韓国大統領と連携確認-哨戒艦事件 (2010-5-24)
→ 北朝鮮追加制裁、送金など監視強化検討 (2010-5-25)
→ 限られる選択肢=対北独自制裁-韓国哨戒艦事件 (2010-5-24)
→ 韓国艦爆発沈没:「北朝鮮政策、再検討を」 オバマ米大統領命じる (2010-5-25)
→ 金融制裁強化へ、米大統領が対北政策見直し指示 (2010-5-24)
→ 国連事務総長、北朝鮮を強く非難 (2010-5-25)
→ 潘事務総長、北朝鮮を非難 (2010-5-25)
→ 韓国艦沈没:安保理提起の意向に理解示す 国連事務総長 (2010-5-25)
→ 哨戒艦沈没:中国に対北圧力求める欧州メディア (2010-5-24)
→ 天安艦事件糾弾に非同盟圏盟主インドも合流 (2010-5-24)