中国政府は、対話に対して発言する一方、人民解放軍をチベットのDarlagのPonkor Toema村に派遣、Choetop氏を射殺するなど弾圧を継続あるいは再開しているという。
Darlagでは、3月21日、中国の国旗の代わりにチベットの国旗を掲げた。すると人民解放軍が3月22日、Darlagに5台の軍用車でやってきた。約350人の村人は馬で道をふさごうとした、という。翌日には30台の軍用車がやってきた。3月24日には50人のチベット人がPonkor ToemaおよびMema村から拘束され、25日にはさらに50人が拘束された。400人がPonkor Toema村から、100人がPonkor Mema村から山に逃れたという。860人の人民解放軍は山を取り囲み、自首すれば刑を軽くすると脅しをかけ、2人が出頭したところ、中国政府は出頭してきたチベット人を拷問にかけたという。その後数百人が拘束され、2万元の罰金が科せられたという。
人民解放軍がChoetop氏を殺害したのは、4月の28日という。
チベット亡命政府は、中国政府のチベット弾圧により死者が203人、負傷者が1000人以上、現在5715人が拘束されていると発表した。亡命政府は、3月下旬の発表では、死者140人と発表している。亡命政府のサムドン・リンポチェ首相は中国政府の対話に期待する一方、中国政府に対し「ダライ・ラマ法王を中傷する戦略などに夢中になっているのではなく、ダライ・ラマ法王の実証的な役割を認識することが重要」と述べているという。
長野の聖火リレーでは、聖火リレーの前に飛び出て逮捕されたタシ氏の釈放を求め、台湾のチベット支援団体が29日、声明を発表したという。
→ チベット暴動:死者203人、負傷千人超…亡命政府発表 (2008-4-30)
→ A Tibetan nomad shot dead in Amdo Golog, hundreds arrested (2008-4-29)
→ カロン・ティーパ(チベット亡命政府内閣主席大臣)による記者発表 (2008-4-25)
→ 長野で逮捕の容疑者釈放を…台湾のチベット支援団体が声明 (2008-4-29)
→ 長野で逮捕の容疑者釈放訴え=チベット支援団体が抗議集会-台湾 (2008-4-30)
→ 聖火リレー 台北で亡命チベット人の釈放要求デモ (2008-4-30)
→ 福田首相の五輪開会式欠席検討を=チベット問題で保守系議員 (2008-4-30)
→ 長野・聖火リレー妨害の亡命2世に支援の動き (2008-4-30)
なお、中国政府は29日、17人に無期懲役を含む判決を下している。
→ 17人に無期懲役含む実刑=ラサ暴動で初判決-中国 (2008-4-29)
中国政府は、青海省で28日、チベット人を射殺したことを正式に認めたという。
→ 中国捜査当局、チベット族1人を射殺 (2008-4-30)
中国政府は、いまだにチベットの取材を認めていない。3月14日以降のチベット弾圧以降、殺害脅迫など10人が50件以上の脅迫があったという。北京の中国外国人記者クラブは改善を求める声明を出したという。
→ 取材の環境悪化、殺害脅迫も=外国人記者クラブが声明-中国・北京五輪 (2008-4-30)
中国政府は先週から、多くの僧侶らを拘束しているという。チベットの僧院では、中国政府の弾圧に自殺した僧侶がいるという。ダライ・ラマ法王を非難した書類に署名を迫られて拒否、暴行を受け、入院したケースがあるという。中国政府はダライ・ラマ法王の顔をターゲットに、絵画を破損しているという。
→ Mass detentions of monks, suicides and despair as enforced condemnation of Dalai Lama provokes dissent (2008-4-30)