(キム・ジョンイルが)核という切り札がないと困る、ということは、北朝鮮から核放棄させることができない理由にはならない。キム・ジョンイル体制を、援 助によって延命することは、犠牲者がそれだけ増えることを意味する。核兵器による脅迫によって援助を得る北朝鮮のキム・ジョンイル体制が続く限り、韓国、 そして他の国々も 軍拡競争、兵役を続けざるを得ない。
→ 北朝鮮の現状と核問題
北朝鮮のトップの終身雇用・世襲が、すべての困難と人民への迫害をもたらすことは、いくら強調しても、強調しすぎることはない。
「戦争に勝つために」飢えに苦しむ人民を傍目に、軍事に金と人をつぎ込む北朝鮮は、思想統制下・独裁下のカルトの、その特徴をよく表している。
「日 本の『防衛白書』では、総兵力は約110万人とされている。これは、対峙している韓国軍の兵力(約67万人)と日本の自衛隊員(約24万人)の合計よりも 多い。北朝鮮の人口は約2200万人なので、国民の5%程度は軍役に就いていることになるが、そのために兵役期間が13年と非常に長く、低迷する国家経済 に与える影響は少なからぬものがある。
このように北朝鮮が経済を疲弊させてまでに巨大な兵力を保持する理由は、韓国との軍事バランスだけ では説明できず、金正日政権の維持には軍の掌握が不可欠という、政治的要因も大きい(先軍政治)。約100万人は陸軍の地上兵力となっており、残る10万 人が海軍と空軍の兵力である。他に予備役が470万人、労農赤衛隊350万人、保安部隊が19万人もおり、事実上国民皆兵といっても差し支えない。正規軍 も多くは日常的に農漁業などに従事しているため、訓練は行き届いているとはいえない。」
→ 朝鮮人民軍