先日ビルマを訪問した国連のピネイロ特別報告官は、7日、取材中に射殺されたジャーナリストの長井健司さんは「流れ弾ではなく、至近距離から故意に射殺された可能性がある」と報告書を発表したという。警視庁は鑑定で、長井さんが1メートル以内の極めて至近距離から撃たれたと発表している。
ピネイロ特別報告官は、軍政のデモ弾圧によって、少なくとも31人以上が死亡、さらに行方不明者74人、拘束者653人のリストを提示し、軍事政権が死者数を大幅に過小評価している可能性を指摘したという。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ビルマの収容施設で殴打や睡眠妨害などの虐待を指摘し、政府に対し、ビルマ軍政に対するODAの停止や軍政に国際調査団の受け入れを働きかけるよう呼びかけている。
軍政は、9月27日から30日の未明から早朝にかけて、多数の遺体が焼かれたとの信頼できる情報がある、別の火葬場への訪問をピネイロ氏に許可しなかったという。
→ 長井さん、故意に射殺 国連のミャンマー報告 (2007-12-8)
→ 長井さん射殺「1メートル内、兵士が銃撃」・警視庁 (2007-11-26)
→ ミャンマーデモで「31人の死亡確認」 (2007-12-8)
→ 20人の死亡確認と人権団体 ミャンマーの反政府デモ (2007-12-8)
→ 長井さんを故意に射殺 死者数も計31人と指摘 国連ミャンマー報告 (2007-12-8)
ネウィン時代のビルマでは、管区、県、郡の議長に、それぞれ大佐・中佐、中佐・少佐、大尉・中尉が任命されており、完全な軍政だったという。ネウィン将軍以下准将が6名、大佐が70名、中佐が200名と、極少人数で、数千万の人間を「抑えていた」こととなる。(「知られざるビルマ」大野徹)