Photo by Reuters
ラサを脱出した観光客らの証言によると、チベットで起きた僧侶らのデモに、中国当局は武力弾圧を行い、ラサは戦車と兵士が街を封鎖したという。チベット亡命政府は100人とも伝えられる死者のうち、30人の死亡を確認したという。外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長は、中国の駐日公使に「情勢を懸念し注視する」「関係者の冷静な対応を求める」とした外務報道官談話を伝えたという。
中国各地、世界各地で中国のデモへの武力弾圧に対する抗議運動が拡大し、英国ロンドンでは14,15日チベット僧侶ら100人が中国大使館前で抗議活動を行ったという。オーストラリアでは15日、約70人がシドニーの中国総領事館前で抗議活動を行ったという。インドではダラムサラで15日、約1000人がデモを行い、数十人がチベットを目指してデモ行進を始めたという。中国の甘粛省、青海省では僧侶らによるデモが行われたという。ネパールでは約200人が抗議デモを行ったという。
インド政府は「ラサの不安定な状況と暴力、無辜(むこ)の人々の死を悲しんでいる」「関係するすべての当事者が、チベット問題の原因を取り除くために尽力するよう望む」と発表している。台湾の行政院大陸委員会は「中国は平和的なデモを行ったチベット人民に軍や警察力で対応し、多くの死傷者を出した。1989年の天安門事件から、人権を弾圧する姿勢は全く変わっていない」「中国は台湾に対して、武力などの強硬手段で対応する考えを放棄することはない。国際社会は、中国が平和的な方法で両岸(中台)問題を処理するなどという甘い期待を抱くべきではない」と指摘したという。
EUでは首脳会議が行われており、議長国スロベニアのルペル外相は「中国政府にチベット自治区の人権問題に関心を払うよう促す」と述べ、3日以内に議長声明を出すとしている。仏クシュネル外相は「われわれは中国政府に抑制と人権の尊重を求める。加盟27カ国から強い非難があった」と厳しく批判、英ミリバンド外相は「重要なメッセージが2つある。1つは双方の抑制。もう1つは永続的な対話の継続が唯一の道であるということだ」と中国政府に自重を要請したという。
安保理理事国というのは、確かにそうでない国とは責任の取り方が違うようである。
自民党、民主党とも声明を発表していない。
→ 戦車と兵士が街封鎖 ラサ退去の外国人ら証言 (2008-3-15)
→ 「情勢を懸念」中国公使に伝える (2008-3-16)
→ 英国でも抗議活動 (2008-3-15)
→ 豪の中国総領事館で抗議 チベット独立支持者ら (2008-3-15)
→ インド北部でデモ行進 チベット人僧侶 (2008-3-15)
→ 甘粛省でもチベット僧デモ=中国 (2008-3-15)
→ 抗議デモの20人を拘束 ネパール (2008-3-15)
→ チベット問題解決に尽力を=ラサ暴動で声明-インド (2008-3-16)
→ チベット暴動を「武力で鎮圧」、台湾が中国を非難 (2008-3-15)
→ 欧州各国の外相 中国政府に「抑制と人権の尊重」求める (2008-3-15)
→ 【動画】チベット暴動、30人死亡 亡命政府確認 (2008-3-15)
→ デモ鎮圧の抑制要求 中国政府に米国務長官 (2008-3-16)
→ 【動画】世界各地で中国政府に抗議するデモ 「殺すな(Stop Killing)」(2008-3-16)