ブッシュ米大統領は、演説で日本を民主化した国の成功モデルとして言及し、対外政策への国内の支持を求めたという。
「敗戦後、日本が民主化すると考えるのは浅はかだという意見があった。今でも、自由に値しない人間がいるという主張する人間さえいる。
その昔、日本文化は民主的にありえない、という主張があった。グリュー大使など、日本で民主主義は機能するはずがないとさえ述べ、その主張は、まれなものではなかった。米国人や日本人のなかにも、日本での民主主義は無理だという意見があった。
日本にとっては、理想的に過ぎるという意見もあった。女性の参政権が、日本の政治の進歩の妨げになるなどという発言さえあった。
マッカーサー将軍は、女性の公民権(国民としての権利)を主張すると、批判が多い。日本の女性が従属的で伝統的に過ぎると主張する人間がいる、と書いている。結果どうなったか。日本の女性に選挙権が与えられたその直後、39人の女性議員が選挙で勝利した。現在の日本の内閣の防衛相は、女性である。つい最近の参議院選挙では、記録的な数の女性が当選した。
神道や天皇制が、民主的な政治の妨げになる、という批判もあった。ラッセル上院議員は、天皇は戦争責任をとるべきだ、と主張し、日本での民主的な政治は無理だと言った。天皇制は民主的ではありえない、と述べる国務省の人間がいた。
結果的には、日本において、信教の自由を尊重し、象徴天皇制を保存することで、民主的な政治がより抵抗なく行われた。懐疑主義的な意見に反し、日本は伝統を保持しながらも、すばらしい自由主義社会の一員である。
専門家の意見が、かならずしも正しいとは限らない。変革への努力を批判する人間に対して、ある歴史家は、もし専門家がその意見を押し通したならば、日本での民主的な変革はなかったと述べた。
このことは、重要な点だと思う。日本の民主的な政治は、平和と繁栄をもたらした。日本の関わる貿易や投資は、地域での経済発展に寄与している。日米の同盟は、太平洋地域の自由と安定の基軸である。この最後の点をよく聞いて欲しい。20世紀に米国と対立した日本は、21世紀にいたって、価値観を共有する、信頼できる同盟国である。」
→ President Bush Attends Veterans of Foreign Wars National Convention, Discusses War on Terror