民主党の鳩山由紀夫首相は2日、辞意を表明したという。
また、首相は小沢一郎幹事長に退任を要請し、了承を得たという。
→ 鳩山首相が辞任を表明、小沢幹事長も辞任 (2010-6-2)
鳩山由紀夫首相が2日、辞任を発表した。野党は7月11日に行われる参議院選対策のためと主張している。新たな総理大臣が選出されれば、期待値で支持率が上がるためである。内閣支持率が20%を切っているため、いつか辞任するだろうという話は以前から出ていた。首相は1週間から10日前ほどから辞任を考えていたと述べている。民主党は新たな首相を、明後日、選出するという。つまり、次期首相は選挙を経ずに就任することになる。解散総選挙を求める声もあるが、民主党が過半数を占めているため実現性は低い。下馬評では菅直人副総理が次期首相として有力視されている。首相とともに、小沢一郎幹事長も辞任するという。鳩山首相はまた、次の衆議院選に出馬しないと述べている。
内閣支持率が低迷している理由は、いくつも挙げられている。日米関係がもっとも重要という意見もある。首相は、普天間基地の県外移転を主張しており、選挙での県民との約束でもあった。しかし同時にオバマ米大統領との会談で首相は「トラストミー」と述べ安請け合いし、言を左右にする首相に日米摩擦は、首相がもとからの計画を呑むと宣言するまで続いた。首相は日米関係を重視し沖縄県民との約束を果たさなかったとして、そのいきさつは支持率の低下を招いた。米側の要求は知れたことであり、それ以外のプランはほぼ不可能であるとは当初から定説となっており、首相は何を考えているのか分からないという意見もかなり聞かれた。
県外移転プランを放棄したことは、社民党との連立崩壊をもたらした。選挙のためのばらまき法案を通したあとに県外移転を反故にして連立を破棄する既定路線という意見がある。いまだに米軍基地の県外移転を主張する社民党は、選挙の際の約束を守り、少なくとも筋は通したとして一部で評価がある。筋金入りの立派な野党の戦略のようではあるが、連立与党としての国を担う責任を果たしているのかは疑問だと思う。
折しも、中国の温家宝首相が来日し、対北朝鮮の政策について日中韓首脳会談が行われた。中国政府の協力を要請するには、声を一つにせねばならない。韓国では哨戒艦「天安」沈没が北朝鮮の魚雷攻撃によるものという発表を受け、鳩山首相は、韓国政府を全面的に支持すると述べた。日米韓政府は北朝鮮に対する制裁を発表した。韓国政府は3日、事件を安保理に提訴するとしている。