月曜日, 5月 30, 2011

チベット ホンジョラス グルジア そして中国

時はめぐる、当然ですね。

時の流れと時代の変化。

チベットでは、ダライラマ法王が引退を表明されました。チベット亡命政府では、亡命チベット人憲章の改正案が可決され、権限が移譲されることになります。中国政府は同化政策を行っているため、チベットの文化、言語を奪おうとしているという非難があります。亡命チベット政府には、さまざまな方面の助力を得て中国政府と交渉する、国際的バランス感覚が要求されています。

ホンジョラスでは、クーデターで追放されたセラヤ(元)大統領が帰国。このクーデター、セラヤ氏が最低賃金を上げるなど「左に走った」ために、米多国籍企業などが起こしたものだという非難があります。氏の帰国で、ホンジョラスは米州諸国との関係が正常化される見込み。左派ポピュリズムについては、バラマキという非難と富の分配という、経済的バランス感覚が問われるところです。

グルジアでは、大規模な反政府デモが行われ、警官ら2人が死亡。グルジアは、ロシアの挑発に乗って戦争を始め、最終的に国際的圧力でロシアが引くまで国土を侵略されたという経緯があります。親米路線でロシアと戦争をするまで争うか、ロシアの政治的介入を許して親ロ路線でいくのか。政治的バランス感覚が問われるところです。

中国では、内モンゴルで大規模な抗議運動が行われました。数千人が抗議デモに参加。中国政府は、内モンゴルに9800億円をつぎ込むと発表。暴動、デモの多発する中国ですが、この内モンゴルでの抗議運動は表立って報道されています。活動家を車で轢き殺すなど、センセーショナルな報道がなされていますが、誠意は金で示すという発想から、民主化への取り組みを見せるという方向へのアピールを願いたいものです。

チベット亡命政府に権限委譲へ (2011-5-29)
追放のセラヤ氏が帰国 ホンジュラス、正常化へ (2011-5-29)
中国が内モンゴルに9800億円 抗議デモで懐柔策か (2011-5-29)
グルジア デモで警官ら2人死亡 (2011-5-26)

日曜日, 5月 29, 2011

G8が閉幕

G8が閉幕しました。

首脳宣言には拉致問題にも言及。

▽(朝鮮戦争の)休戦協定や南北間合意に対する北朝鮮の挑発的な行動や、国連安保理決議に反する核・ミサイル開発、ウラン濃縮計画と軽水炉建設を非難する。すべての核計画と弾道ミサイル計画の完全放棄や、拉致問題など人道上の懸念への速やかな対応を求める。6カ国協議再開につながる具体的行動を求める。

首脳宣言には、サミットでのネットに関する議論も反映されているようです。

▽人権と民主的参加を世界中で進展させる手段として、インターネットの利用を奨励する。

選挙期間中にネットを使えるよう、早いところネット解禁してほしい、と思います。

今回のG8サミットの目玉は200億ドルという中東・北アフリカ支援であるようです。

G8サミット:首脳宣言(要旨) (2011-5-28)

経済面では、日本とEUの経済提携協定(EPA)予備交渉の開始で合意するなど成果があったようです。

菅首相はEUのファンロンパイ大統領、バローゾ欧州委員長との会談し、EPA交渉入りに向けて「共同検討作業」を開始すると発表。

自動車10%、液晶テレビ14%など、高関税の撤廃・削減を願いたいものです。

日本とEU、EPA予備交渉開始で合意 首脳会談 (2011-5-28)

木曜日, 5月 26, 2011

G8 ドービル・サミット

G8サミットが26日、フランスのドービルで開幕します。

中東と、エネルギー政策が議題となるようです。菅首相はサミットに先立ち、総電力に占める自然エネルギーの比率を2020年までに20%に、1000万戸の屋根に太陽電池を設置すると発表。サミットでは東日本大震災からの復興への協力を要請するものと思われます。

反政府デモで荒れる中東・北アフリカでは、イエメンで首都の空港が閉鎖、米国が国民の退去を勧告するなど抗議運動が続いています。ムバラク大統領を退陣に追い込み、11月に選挙を予定するエジプトではガザの出入りを許可するなど新たな動きも見られます。

世界銀行は24日、民主化を支援するとしてエジプトとチュニジアに今後2年間で最大計60億ドル(約4920億円)の金融支援を発表しています。G8では、中東・北アフリカ支援が議論される見込みです。

24-25日には、パリでG8インターネット会合が開催され、著作権やネット規制について論議が行われたということです。ビベンディ vs グーグル、米 vs 仏の対立などが報じられています。「著作権で妥協はできない」という議論と、「著作権は絶対的権利ではない」という議論があるようです。

ネット規制に関しては、「ネットにおいても民主的な社会と同様の規則があるべきだ」という議論と、「体制による規制は一方的となる」という議論があるようです。テロ・犯罪に関わるネット上の情報の存在と、ネットでの政治活動の現状を踏まえての議論と思われます。高いレベルで議論が行われているようですが、身近なところで早いところネットを選挙運動に解禁して欲しいと思います。

世界銀行:民主化支援、エジプト・チュニジアに60億ドル拠出 (2011-5-25)
G8インターネット会合が閉幕、規制めぐる業界と政府の溝鮮明 (2011-5-26)
菅首相、G8サミットに先立ち総電力に占める自然エネルギー比率を20%にする方針表明 (2011-5-26)
人民元基準値、切り上げ以降の最高値 1ドル=6.4921元 (2011-5-26)
米が書簡 G8各国は民主化支援を (2011-5-26)
エジプト:ガザ、出入り自由に 検問所開放、外交転換鮮明に (2011-5-26)
イエメン:銃撃戦が激化し首都の空港閉鎖 (2011-5-26)

月曜日, 5月 23, 2011

日中韓の「微笑外交」

日中韓の首脳会談が22日、行われ、日本製品の輸入規制などの調整が行われたのことです。

中国の温家宝首相は、日本の旅行会社1社に中国国民の海外旅行業務のライセンスを付与すると発表。

首脳会談は、穏やかに「微笑外交」で行われたということで、G8直前のこの微妙な時期、団結こそ力ということでしょうか。

日中韓首脳会談:首脳宣言要旨 (2011-5-23)
日中韓首脳会談:輸入規制緩和、中国が直前まで抵抗 (2011-5-23)
首相 G8で冷静な対応要請へ (2011-5-23)

木曜日, 5月 19, 2011

ロシアの大統領選

ロシアのメドベージェフ大統領は18日、2012年の大統領選への出馬について会見し、しかし出馬への明言は避けたということです。

微妙ですね。

ロシアの政治というのも...

ロシア上院では同日、ミロノフ議長が事実上の解任。

地元の市議会が議員資格の停止を可決したということで、解任で政界再編が加速するという予測があります。

英BPと露ロスネフチが資本提携破棄、既存合弁の対立解消できず (2011-5-17)
ロシア大統領、首相との違い示すも再出馬の明言避ける (2011-5-19)
ロシア 飲料水50トン提供へ (2011-5-18)
ロシア上院議長解任 政界再編が加速の兆し (2011-5-19)

増税かインフレか

補正予算の話が出てきているようなので、復興増税について。

順番としては、消費税、所得税、法人税、とのことらしいですね。

機運の高まっているうちに、増税の話を固めておきたいという意見があります。

もちろん、不況時に増税は禁じ手だという意見も。

いずれにせよ、火事場泥棒はよくないですね。

客員論説委員・岩崎慶市 復興増税から逃げ回る与野党  (2011-5-15)
「復興増税」か「インフレ」か (2011-5-10)
やっぱり増税案を打ち出した復興構想会議 (2011-5-15)
最低保障年金:2055年度、消費税3.5%増 政府試算 (2011-5-17)

火曜日, 5月 17, 2011

民主党政権の対外政策への評価と言えるでしょうか。

日本などの安保理常任国入りに向けて、G4(日本・ドイツ・インド・ブラジル)は国連総会に改革決議案を提出するとしています。

この動きに対してローマでは16日、約120カ国が参加する外相級会議が行われ、約20カ国の外相が協議。

改革決議案に批判的な議論が広げられたといいます。

悲願の常任理事国入り。

いつ常任理事国入りできるのか。

民主党政権の対外政策への評価と言えるでしょうか。

ここしばらく軍事費は削減してOKだろう、とは言えると思います。

安保理改革で総意派が会議、G4案を批判 120カ国が参加 (2011-5-17)

月曜日, 5月 16, 2011

アラブ連盟事務局長にアラビ・エジプト外相

アラブ連盟は15日、エジプトのアラビ外相を事務局長に選出。

パレスチナのファタハとハマスの和解交渉をまとめるなど、人気の高いアラビ外相に活躍を期待したいところです。

対抗馬のムバラク元大統領に近いフィキ氏、カタールのアティヤGCC事務局長はそれぞれ出馬を取りやめています。

アラブ連盟の元事務局長、ムーサ氏は、11月のエジプト大統領選に出馬予定。

アラブ連盟事務局長にアラビ・エジプト外相 域内外交の要職を死守 (2011-5-16)

イスラエルはパレスチナ難民のデモに対して発砲し、13人が死亡しています。

パレスチナ難民の抗議デモに発砲、多数死傷 (2011-5-16)

日曜日, 5月 15, 2011

タイ総選挙 赤シャツ・暗殺・殺し屋リスト

タイでは7月3日、総選挙が行われます。

経済的には好調なタイ。失業率は0.7%で、最低賃金はアップ、求人難。

しかし...

政治的には大混乱。「選挙のための対外軍事行為」にまで発展し、カンボジアと交戦。

昨年のデモでは、90人以上が死亡、1400人以上が負傷。

タクシン元首相支持派の「反独裁民主戦線(UDD)」は、19日にも反政府集会を開催するとしています。

選挙がらみの暗殺が増えるとして、タイ警察は「殺し屋リスト」をウエブサイトで発表。

なんとか民主的な選挙を行い、信頼によって安定的に政治を行って欲しいものです。

タイ、3月の失業率0・7% (2011-5-13)
武力鎮圧から1年 タクシン派、19日に反政府集会 (2011-5-15)
「殺し屋リスト」公開中 タイ警察のウェブサイト (2011-5-14)

「北による外国人拉致は現代史上最悪の犯罪」

「北朝鮮人権委員会」(U.S. Committee for Human Rights in North Korea)は北朝鮮による拉致被害について発表し、北朝鮮をテロ支援国家に再指定すべきと指摘。

中国との癒着の影で、あまり取り上げられない北朝鮮の話題ですが、中国側の反発を恐れて北朝鮮による拉致問題を語らないというのは片手落ちと思います。

拉致問題を中国との関係に楔を打ち込むことになるという理由で不問に付すのは、拉致問題が日本が世界に強く訴えることのできる正義であることからも正しくないと思います。

「北による外国人拉致は現代史上最悪の犯罪」 (2011-5-14)
“北朝鮮に拉致 18万人余” (2011-5-13)
テロ支援国再指定など提言=北朝鮮拉致で報告書-米民間団体 (2011-5-13)

元朝青龍 モンゴル政界進出へ

元横綱の、朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏は12日、モンゴルの国会議員選挙に出馬を表明。

世界は狭くなりましたね。

元朝青龍 モンゴル政界進出へ!6月の選挙出馬を表明 (2011-5-13)

日曜日, 5月 08, 2011

タイの解散総選挙

タイでは9日にも下院が解散され、総選挙が行われます。

総選挙は、7月初旬までに行われるとのことです。

18人の死者を出したタイとカンボジアの国境紛争は、選挙向けのキャンペーンではないかという声があります。

国境紛争に関しては、ASEAN首脳会議で協議が行われています。

これに関しては、「両国の溝は埋まっていない」ではなく、ASEANに調停はできていないと書くべきと思います。

インドネシア軍の派遣を、両国が認めるかどうか。

正式ではなくとも、認めたという報道もあります。

フランスの植民地だったカンボジアに対峙するタイにとっては、国連は信用ならないということでしょうか。

それとも、国連の場ではない場所で解決したい動機があるのでしょうか。

一日も早い停戦が成立するよう働きかけが必要と思います。

下院解散・総選挙へ=結果次第で再び混乱も-タイ (2011-5-6)
カンボジアとタイ、紛争で火花 ASEAN首脳会議 (2011-5-7)
ASEAN:首脳会議開幕 安全保障問題など協議難航 (2011-5-8)

金曜日, 5月 06, 2011

パキスタン 米軍によるオサマ・ビン・ラディン殺害に批判

パキスタンでは、米国の特殊部隊によるオサマ・ビン・ラディン殺害に批判が強まっているようです。

米国は無人機でパキスタン市民を殺害しているため、同国はもともと反米が強い傾向があります。

非武装のビン・ラディンを生け捕りにしたのち、頭を撃ちぬいて射殺したという報道があります。

ビンラディン容疑者殺害:パキスタン野党指導者「急襲は主権侵害」 高まる反米感情 (2011-5-4)
対米関係「過去最悪に」=政府・国民に広がる不信感-パキスタン (2011-5-5)
通告なしに殺害 パキスタンが反発強める (2011-5-6)
露ブロガーら 米国でビンラディンの死を喜ぶ姿に「野蛮」 (2011-5-4)
ビンラディン容疑者殺害:丸腰、米「現場判断で殺害」 (2011-5-5)
再び主権侵害なら関係見直し=軍トップが米に警告-パキスタン (2011-5-5)
米軍新型ステルスヘリ使用か=中国へ機密流出懸念も-パキスタン (2011-5-5)
当初から米部隊に「殺害」命令 ビンラディン容疑者作戦 (2011-5-6)
Pakistan threatens to cut military co-operation with ''gung-ho'' U.S.

木曜日, 5月 05, 2011

パレスチナ ファタハとハマスが和解

イスラエルの植民によって居住地を奪われたとするパレスチナ自治政府の、ファタハとハマスが和解案に同意。

ファタハのアッバス議長と、ハマスのマシャル氏は、1年以内の自治政府の議長選挙と、評議会の議員選挙、行政の一本化での合意を発表。

なんといっても団結は力。

交渉相手が確定しなければ、交渉相手に実力がなければ、交渉自体に意味がなくなる。

イスラエルのネタニヤフ首相は、この合意を妨げようと英仏首脳と会談を予定。こすいですね。

オバマ米大統領は20日にもネタニヤフ首相と会談を予定しています。

今後の発展、イスラエル政府との和平交渉に期待、というところでしょうか。

イスラエル・ロビーの影響は強い。

アラブの真の友人は、...アジア、であってほしいものです。

ファタハとハマスが和解案合意 カイロで合意式典(05/05 08:01) (2011-5-5)
イスラエル首相と会談へ パレスチナ和平交渉で米大統領 (2011-5-5)
パレスチナ:政策の違い、棚上げ ファタハ・ハマス、統一政府へ調印式 (2011-5-5)

火曜日, 5月 03, 2011

タイで解散総選挙 

カンボジアと国境紛争で争うタイ。

タイでは5月6日に下院が解散するとアピシット首相が明言。

6月26日には総選挙が行われます。

カンボジアとの国境紛争では、これまでタイの民間人を含む18人が死亡しました。

相互の不信による、「誰も得をしない」国境紛争。

国際社会による強力な調停が望まれます。

石油利権のあるリビアには「人道目的」で空爆まで行う西欧社会。

タイ・カンボジアの争いには、なぜかまったく顔を出さず、なんとASEANにて会議が行われます。

地域の軍事大国インドネシアの軍隊の派遣には、停戦監視団という名目であってもタイ側などから反発があります。

ASEAN諸国の結束、共通意識、共同意識、地域に一貫する思想、には疑問符がつきます。

一日も早い停戦が成立するよう働きかけが必要と思います。

 → タイ・カンボジア紛争:続く戦闘…死者18人に (2011-5-4)
  → タイ・カンボジア 紛争など議論=7、8日にASEAN首脳会議 (2011-5-3)
  → タイ、6月末にも総選挙 下院解散の手続き整う (2011-5-3)
 → 首相が明言、「5月6日に下院解散」 (2011-5-2)
 → 世論調査では現首相が優位 (2011-5-3)

月曜日, 5月 02, 2011

米 ウサマ・ビンラディンを殺害


米国は2日、ウサマ・ビンラディンを殺害。

エジプトのムスリム同胞団は、米軍に対し、アフガニスタンやイラクから撤退するよう要請。

これで米軍滞在の理由はなくなったという主張です。

米国では、国防長官にCIA長官が就任。

最近の戦争は、情報戦だ-というわけです。

  → 米軍はアフガンやイラクから撤退すべき=エジプトのムスリム同胞団 (2011-5-2)
 → 厳戒の豪邸をヘリで急襲=米、数年間側近追跡-ビンラディン容疑者息子も死亡か (2011-5-2)
 → オバマ大統領、安全保障チーム一新 (2011-4-29)

NATO空爆 カダフィー大佐「Jrと孫3人」が死亡

NATO軍は、リビアを空爆し、カダフィー大佐の親族を殺害。

さすがに波紋が広がっています。

空爆の目的は何だったのか。

政権の転覆は、「人道目的」の空爆という国連決議に反します。

いっぽう、中東では、着々とイスラム化が進んでいるようです。

エジプトのムスリム同胞団は、正式に自由公正党を結党。

中東での「米国のてこ入り」で火がついたとされる、反政府運動の連鎖。

イエメンでは、サレハ大統領が調停案を否定し、混乱の度合いはさらに深まるばかり。

  → NATO空爆でカダフィJrと孫3人死亡 (2011-5-1)
 → リビア:大佐親族死亡 空爆、正当性揺らぐ 政権「国際法違反」 (2011-5-1)
 → エジプトのムスリム同胞団、正式に結党 (2011-5-1)
 → イエメン:大統領、調停案署名拒否 湾岸協力会議、事態収拾に失敗 (2011-5-1)



しかし空爆ってのは悲惨ですね。