木曜日, 2月 08, 2007
ネパール警察、マドヘシに発砲、2人が死亡
ネパールで警察がマドヘシに発砲、2人が死亡
カトマンドゥ、2月7日、ロイター発信
政府関係者と事件の目撃者によると、ネパールの警察は水曜日、自治を求めるマドヘシに発砲し、2人が死亡したという。
町役人のモッド・ラジ・ドテルは、カトマンドゥ南東200kmの都市、ビラトナガールでは、数千人が刑務所に向かったところ、警察が発砲、少なくとも21人が負傷したと述べた。
「事件のあった場所には、血が飛び散り、人々は恐怖におびえている。緊迫した雰囲気だった」とビクラム・ニラウラ記者は述べた。ビラトナガールは、ギリジャ・プラサド・コイララ首相の地盤だという。
政府関係者は、先月テライ地方では21人が死亡、数百人がマドヘシと警察の衝突で負傷したと述べた。テライ地方は、ネパール南部に位置し、ほとんどのマドヘシはテライ地方に居住するという。
MPRF(マドヘシ人権フォーラム)の抗議運動は、マオイストとの協定を求めるネパール政府にとっての打撃になっている。マオイストの抵抗運動で、過去10年間に1万3千人が死亡した。
マドヘシは、支配階級である山岳民族が、公務員職、警察、軍隊、議会を独占し、マドヘシから職を奪っていると主張している。
マドヘシは、ネパール南部の平野に自治地区を設け、連邦制に移行するように要求している。
政府は対話に応じるとしているが、マドヘシは対話の条件として、過剰に武力行使したとして、クリシュナ・プラサド・シタウラ国務大臣の辞任を要求している。
コイララ首相は、政府側につく団体の指導者とマオイストと会談し、マドヘシの抗議運動について論議したという。
抗議運動の発端は、1月に同地区のラハンでマオイストがマドヘシを射殺したことにあるという。マオイストは遺憾を表明している。
政府ともとマオイスト活動家は、王党派が抗議運動の背後にいると主張している。
原文 → Nepal police fire on protesters, two killed (2007-2-8)
→ Calm returns to plains of Nepal (2007-2-9)
→ Situation in Nepal's Terai region worries UN (2007-2-8)
山岳民族は、パールバテ・ヒンドゥー(山のヒンズー教徒)というらしい。
バフン、チェトリが上位カーストで、職業カーストはパニ・ナチャルネというらしい。 「仕立て屋(楽隊を兼ねる)、鉄鍛冶屋、皮革屋の3種類」が多いという。チベット・ビルマ語系の民族は、インドで言うバイシャにあたるという。チベット・ビルマ語族のネワール語族は、独自にカーストを持ち、ヒンズー教のブラーマン、仏教の祭司を筆頭に、クシャトリアに相当するカースト(ヒンズー教徒でシュレスタやジョシという名が多いという)、その下にジャプーという農民カースト、その下に職業カーストがあるという。
固定化した階級があり、しかも言語、宗教が異なると、不公平感から暴動がおきやすくなる。
日本における性差別、家族形態差別は、固定化した階級と化している。
ネパール、特にテライ地区は、マラリアの流行地域だという。
→ ネパールの歴史
→ 国別報告「ネパール」
→ 上野登の「ネパール砒素汚染論」