水曜日, 2月 28, 2007

火災の捕鯨母船、10日目にしてようやく南極海を出発 ~グリーンピースのエスペランサ号、日新丸をエスコート~

グリーンピースは、捕鯨に対し、「税金を投資してまで、人命を軽んじ、貴重な南極環境に無駄なリスクを与えるこの捕鯨を、本当に日本人が望んでいるものなのかどうか」と批判している。

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日本政府のこの問題への対応には問題点が多く見られる。 火災発生当時には松岡農林水産大臣が、証拠がないにも関わらず火災の原因をシーシェパードという他の環境保護団体によるものとほのめかす発言をし、南極条約では一番近くを航行し救援できる船が積極的に救援を行うことが奨励されているにも関わらず、グリーンピースの救援活動の要請に対し水産庁が政治的な理由で断るなどしている。 また、いまだに水産庁も、さらにこの捕鯨を管轄している(財)日本鯨類研究所も火災箇所や火災原因などを明らかにせず、南極条約で国際的に守るべき公海であるにもかかわらず他の国への情報提供を十分に行っていない。

また、今回火災を起こし、乗組員一人に犠牲者を出した日新丸は、1998年にも船内の工場内で火災を起こしている。その際、火災直後に乗組員一人が自殺を図っている。 また、南極という厳しい環境で作業する船であるにもかかわらず、日新丸は耐氷構造になっていない。 さらに南極での捕鯨活動が環境にどのような影響を与えるかの環境影響評価もおこなっていない。そして今回、燃料と冷凍されたクジラの肉を運ぶオリエンタルブルーバード号はシングルハル(船底が一層構造になっており、重油流出事故につながりやすい)構造であり、しかも27年前に建造された古いタンカーであることも判明しているなど、南極の環境への軽視が多く見られる。

「今回の件で、大きな汚染が起きなかったことは不幸中の幸いと言える。 南極という厳しい環境での船団乗組員の努力を評価したい。 しかし、これでいかに南極での捕鯨がずさんな管理体制のもとで行われているかが誰の目にも明らかになった。 私たちの税金を投資してまで、人命を軽んじ、貴重な南極環境に無駄なリスクを与えるこの捕鯨を、本当に日本人が望んでいるものなのかどうか、 来年のシーズンが始まる前にもう一度議論する必要があるのではないか」
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火災の捕鯨母船、10日目にしてようやく南極海を出発 ~グリーンピースのエスペランサ号、日新丸をエスコート~ (2007-2-28)