木曜日, 10月 20, 2005



何 も慈善事業でマイクロソフトが機能をつけているわけではない。政治家が慈善事業しているわけでもない。逆に言うと、フランスにおいて、これだけの伝統を持 ちながら、政教分離したということは、驚きに値する。どの都市にも教会、礼拝堂、聖堂があり、その建築は見事である。そして、非常に手入れが行き届いてい る。街の風景との調和は、世界中の何と比べても、そのものが美しい。線やテクスチャ、色彩の構成は、フランスの、「優しい」風景は、浸っていると、その感 覚に「褒美」をささげ、そしてウィンクしているようである。その存在さえ気づかなかったような、そんな感覚を、そもそも持ち合わせていた、ということが、 つまり感覚が生きている、生き残っていたということが歓喜をももたらす。朝起きて、そして窓の外を眺めることが、贅沢である。日が昇る。木々の緑が色づい ていく。木陰が芝生に影をつくる。山に霧がかかっている。誰がデザインしたのか、その構成は人為によるものであり、そして完全なものである。耽美的、官能 的であると同時に、理性のもたらす静かな諦観が、人間と社会のあり方を訴えている。

ほっておいても、下らぬことを象徴にして争うのが人の常である。